妊娠・出産後の不調は○○○○が関係?【産後ピラティス】

こんにちは

大阪市阿倍野区にあるパーソナルトレーニング

graceful帝塚山 金物谷です。

先月、産後リカバリーピラティスの講習会に参加してきました。

出産後のお客様のパーソナルもちょくちょく増えてきたので、勉強しないとなーということで決めました。

あと、妻も産後5カ月なので。長男もどんどん大きくなって8キロオーバーとなかなかのビックサイズ。

                      コジローの主張強め

 

講師は「リン・ロビンソン先生」ピラティスの女王と言われ、ボディ・コントロールピラティスの創設者で、世界で活躍するピラティスインストラクターです。

 

場所は「福岡県の天神」ちょっと遠かったですが、やっぱり行って良かった!内容も面白かったです。先生がやっぱりすごくて熱かったです。ピラティス熱。

皆さんの役にも立つと思うので記事にします。

 

産後しばらく経って、「そろそろ運動始めたいなー」と思っている方はもちろんですが、

「もう子供は大きいけど、産後は特に運動もしなかったなー」という方にも読んでいただければと思います。

 

 

1、妊娠による姿勢の変化

妊娠によりお腹が大きくなると前面に重量が増えるため、体はバランスを取ろうとして重みを前後に振り分けようとします。

 

姿勢に関して

前にも「姿勢に関する記事」でお話ししたスウェイバックという姿勢です。

◆骨盤は前方に移動し、腰は反りがなくなり平坦か、もしくは反る場合も

◆腰より上部の背骨は弯曲を強める。乳房の重みによりさらに猫背が強くなり、巻き肩になる。

◆猫背により頭部が前方に位置する。

 

妊娠中・産後に腰痛・肩こりが圧倒的に多いのは、この姿勢の影響が大きいです。猫背・肩こりに関しては過去の記事をご参考に。

これら姿勢の変化は、出産後すぐに戻るわけではありません。というよりこのままの姿勢の特徴で経過している方のほうが多いように感じます。立ち姿勢だけでなく、産後の授乳や赤ちゃんの抱っこ、ベビーカーを押したりと身体の前方で行う動作ばかりなので、姿勢をより悪化させてしまいます。

 

 

感覚の変化

妊娠中は、赤ちゃんがお腹にいる状態で約10カ月過ごします。お母さんの体は、赤ちゃんがいる重みに慣れてきます。

しかし出産すると、すぐに重量の配分・体の重心が変わります。この変化により、身体感覚や認識が変わり、バランスが悪くなり、正常な感覚が障害されます。

ここでいう感覚というのは、専門的な言い方になりますが「固有受容感覚」というもので、体の各部位の「位置や動き」を感じたり、力の入れ具合を感じたりする感覚です。

具体的には「バランスがとりにくくなったり、段差で思ったより足が上がらずつまずいたり」します。

自覚ありませんか?「なんか体が重い、動かしにくい。」からだの変化に感覚が追い付いてないのかもしれません。

 

これら姿勢などの変化は、ピラティスにより改善していくことができますが、放っておくとその他の部位や機能でかばってしまい、段々修正が難しくなってきます。早めの対処が大切ですね。

 

 

コアを構成する筋肉 

コアという言葉は皆さんもご存知ですよね?

「体幹のこと?」意味もなんとなく知ってるという方が多いと思います。

コアについて少し詳しく説明します。

 

コアを構成する筋肉:腹横筋・骨盤底筋・多裂筋・横隔膜の4つです。

      画像をみるとわかるように、上下からとお腹をグルっと囲うように存在します。(コルセットのように

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

名前のまんまですが骨盤の底にある骨盤底筋は、臓器(子宮や膀胱、直腸)を下から支えるハンモックのようなものです。

 

コアの役割:背骨の腰の部分にあたる【腰椎】の前には、内臓があるだけで支えがありません。(胸椎には前に肋骨が鳥かご状についていて骨格的にガッチリ安定している。)そんな不安定な腰椎を前方から支えるのがコアです。4つの筋肉がバランスよく働くことで腹圧を高め腰椎を安定させてくれます。腰の前に風船があってその圧で支えてくれるイメージ。

コアの筋肉がうまく働かなくなると、バランスは崩れ姿勢は悪くなり、腰に負担がかかります。(画像右のように)

 

 

妊娠・出産によりコアの変化

妊娠中は、お腹が大きくなるため、お腹まわりをグルっと覆っている腹横筋が引き延ばされます。

さらに、骨盤の底にある骨盤底筋が赤ちゃんと子宮を下から支えた状態になるので、その重みで骨盤底筋も引き延ばされます。筋肉は引き延ばされた状態では十分機能できません。何カ月もそのような状態が続くので、当然筋力低下を起こしてしまいます。

また、出産時に骨盤底筋は通り道になるため、強制的に引き延ばされ部分的に千切れてしまったりして、ダメージを受けることになります。

 

 

骨盤底筋の機能低下により生じるデメリット

☑尿漏れ

☑臓器(子宮)脱 年齢を重ねた時起こりやすくなる。

☑ポッコリお腹

☑腰痛 

 

なかでも尿漏れは年齢を重ねた時に、大きな悩みの一つになります。早めに鍛えて対処する必要があります。

ちなみに、リン・ロビンソン先生の母国イギリスでは、骨盤底筋専門のクリニックがあり、専門の理学療法士がいるとのこと。それくらい問題視しているんですね。日本では骨盤底筋というワードが少しずつ浸透してきている程度です。だいぶ遅れていますねー

 

講習が終わった後、リン先生に「まず理学療法士は独立できないんですよ!※」なんて愚痴をこぼすと、

リン先生「馬鹿げてるわ!!そんなんだから日本は遅れるのよ」なんて言ってました。もちろん通訳の方がですが

 

※理学療法士として独立することはできない。僕の場合は、理学療法士ではなく「理学療法士資格を持った」パーソナルトレーナー。グレーな感じがしますが最近は多いです。

 

ちょっと話がそれましたが、ここから改善のために、どうやって骨盤底筋を機能させていくのかですね。

 

 

呼吸しながら骨盤底筋の収縮を意識できるように

様々なエクササイズがあるのですが、まずは骨盤底筋の収縮を感じられるようになることが大事です。これがなかなか難しい!インストラクター側から見てちゃんと収縮できているのかわからない。違うところに余計な力が入っていないかをチェックするだけで、あとは本人の感覚任せです。

 

①大きめの枕などにまたがって座る。→すね前面が床につくように)

 左右の座骨に均等に圧を感じて骨盤はニュートラル。

②鼻から息を吸い、口から息を吐く。(胸式呼吸なので、お腹は膨らまないよう薄く保って)

③吐くタイミングで、おならを我慢するようにお尻の穴を閉め、その閉めたままの感覚を前に移動し内側に引き込む。

 ジッパーを引き上げるようなイメージで。

 

普通の椅子に座ってでもできるのですが、またがった方が骨盤底面に圧を感じやすいかな。という感じです。

また、【尿漏れ】に悩まれている方は、上半身をほんの少し前傾させた方が、閉める感覚が意識しやすいのでお試しください。

 

全然わからん!という方は内転筋に手伝ってもらおう

上のやり方では、わからない!という方に

骨盤底筋は、内転筋(内ももにあって足を閉じる筋肉)と筋肉のつながりがあり、一緒に働かせることで骨盤底筋が働きやすくなるという報告があります。(内転筋以外にも、お尻の筋肉で足を外に開いたり、外にねじる筋肉も同様)

 

◆上向きに寝た状態で両ひざを立てて、ボールを足の間に入れ、挟みながらさっきの呼吸を行う。

立ってボールを挟んでも良いです。まあこれらのやり方はよくテレビでも紹介されていますよね。

 

肝心なのは呼吸に合わせて行う事。

しっかり深い呼吸で行うことで、コアを構成する横隔膜や腹横筋も一緒に働き、より働きが高まります。

ボールを挟むのに必死になって、内転筋の収縮だけで骨盤底筋が全然働いてないなんてことはよくあるのでご注意下さい。また、最終的には骨盤底筋を単独で収縮させられるようにしましょう。内転筋に力を入れなくても骨盤底筋を引き上げられるように)

 

 

最後にどれくらい行えば良いか?

リン先生によると

骨盤底筋を収縮、骨盤底を引き上げた状態で「10秒保持を6セット、それを1日に10回行う」のが最も良いそうです。

1日に「10秒保持×6セット×2-3回」でも効果はあるそうですが、最も効果的なのは上の方法。

あと、セット間の休憩は5秒おくように とのことでした。

 

「10秒保持×6セット×10回」 

数字をみるとちょっと大変に思いますが、時間はたったの15分(休憩も入れて)

今日からやってみましょう!少しずつ変化がみられるはずです!!

 

 

 

 


一覧ページに戻る