腰痛は体幹トレーニングでよくならない?その原因は…

こんばんは。

女性専門パーソナルトレーニングgraceful帝塚山

トレーナーの金物谷です。

 

 今日は腰痛について書いていきます。腰痛は身体に関する悩みでは、かなり多く日本人の90%が一生に一度は経験すると言われています。実際、当店へお越しのお客様の中にも腰痛をお持ちの方は多いです。

 腰痛でも、腰の張り感や軽い痛みといった程度の軽いもの、脊柱管狭窄症のような強いしびれ・痛みや運動麻痺を起こす重度なものまであります。当然のことですが、できるだけ早く対処し程度の軽い間に根本から改善しておくことが大切です。

 

 

腰痛の原因は? 体幹筋の弱さ?

腰痛がある場合、マッサージを受けたり・温めたり、湿布を張ったりする方などが多いと思います。

ほかにも、【腰痛=腹筋を鍛えるべき】と体幹トレ―ニングをされる方もいると思います。

 

確かに、腹筋を含む体幹機能の低下があると、姿勢の崩れから、腰痛につながります。体幹を鍛えることで姿勢がよくなったり、腰が安定し痛みが改善することもあります。しかし、原因が“体幹機能の低下”以外にあることも実は多いです。

何かというと、関節が硬くなる。関節の動く範囲が狭くなる。つまり、可動域の制限が原因になるパターンです。しかも腰ではなく、ほかの関節の動きが悪いことで起こります。多い例としては、背骨の中でも腰の上に位置する「胸椎」、腰の下に位置する股関節」が当てはまります。

 

関節の可動域制限が腰に与える影響

胸椎猫背姿勢の方は、背骨の中でも胸椎上部が丸まり、「伸展」という反らす動きがでにくい状態です。体を起こすとき・反らすときに、胸椎がうまく反らないと、どこかの関節が代わりに動かないといけなくなります。

 基本的には上下に位置する関節が代わりをします。この場合、腰や頸椎(首)で、本来の動きを越して過剰に反らせることになりストレスがかかります。(画像②左)

 他にも、胸椎は「回旋」といって、ねじる動きもします。この動きが硬くなると、同様に腰が代わりをします。腰は構造上、ねじる動きに向いておらず、ストレスがかかります。※ゴルフやバッティングで“腰をひねって”と言いますが、あれは間違いで、実は主に股関節の動きで骨盤が動いています。

 

 

股関節:胸椎と同様、ねじる動きの回旋、体を後ろに倒していく伸展という動きの制限により、腰が過剰に反ったり、ねじれたりします。(画像右)

 

            胸椎や股関節が硬いために、腰で代償して(かばって)いる例(画像②)      

                 【赤線が硬い部位  青線が背骨の形状】

       右:股関節が硬く、「伸展」という動きが出ないため、腰を過剰に反らせてかばっています。

      中央:まんべんなく動きがでている良い状態です。

       左:胸椎が硬く(猫背になっている)、「伸展」がでないため、腰を過剰に反らせてかばっています。

 

 

各関節の主な役割

関節の役割としては大きく2つあります。

1つ目は可動性、動きを提供すること。2つ目は安定性です。関節が動く際、その土台となる部位がしっかり安定していないと、目的の動作を行えません。足場の不安定なところではスムーズに動けませんよね?

それぞれの関節には、主要な役割があります。しかも、面白いことに関節の順に安定➡可動性➡安定というように上下で交互の関係にあります。

 

 腰は「安定性」を提供するのが得意です。繰り返しになりますが、「動きを提供する胸椎や股関節の柔軟性が低下することで、腰は可動性を要求され関節にストレスがかかります。さらに過剰に動くことで腰本来の安定性は失われ、不安定になることで腰痛は悪化します。

 

 もちろん逆もあります。腰(体幹筋)の安定性が不十分であるため、代わりに安定性を得ようと胸椎や股関節を固定して使ってしまい本来の柔軟性を失ってしまうパターンです。この場合には、体幹筋トレが有効です。

 

 このように他関節の可動性低下が腰痛の原因になっている場合、当然ですが、いくら体幹筋を鍛えても効果はでません。

 柔軟性の低下した関節の動きを出してあげることが最優先です。2次的に腰(体幹筋)の安定性は低下しているので、その後、体幹筋トレの必要性はあることが多いです。とりあえずマッサージ。体幹筋トレではなく、しっかりと原因に対する対処法を選択することが大切です。

 

 

エクササイズ実践

ここからは、胸椎や股関節の柔軟性を高めるストレッチをYouTube動画でご紹介していきます。

腰痛がある場合、痛みに十分注意して行ってくださいね。

 

                 猫背予防にも有効「胸椎伸展エクササイズ」

【ポイント】

  •  猫背姿勢の方が、硬くなりやすい胸椎上部(肩甲骨の高さ)に丸めたタオルを横向きに入れる。
  • 吸う息に合わせて両手を頭上に。肋骨の動きも高まることで、より胸椎の動きが出やすくなる。
  • 腰が反りすぎないようお腹を引き締めて行う。

 

 

                 猫背予防にも有効「胸椎伸展エクササイズ②」

【ポイント】

  • 吐く息で肩甲骨あたりから背骨を起こす。あごは引いたまま、頭頂部を低く遠くに伸ばすように。
  • 手を骨盤横において行うときは、肩甲骨を一度寄せてから行う。
  • 腰が反らない、筋肉が緊張しないよう注意して行う。

 

 

       肋骨の動きが硬く呼吸の浅い人にもおすすめ「胸椎回旋エクササイズ」                

【ポイント】

  • 呼吸を意識し行い、視線は常に指先を追いかける。
  • 肩を動かすのは手を天井に伸ばすまで。それ以降は肩を動かさず胸椎のねじりで後方へ。
  • 骨盤が後方へ開かないよう、ひざ同士が離れないよう注意して行う。

 

 

           反り腰の方におすすめ「股関節伸展エクササイズ」

【ポイント】

  • 股関節の前部が伸ばされる感覚を感じながら20秒
  • 体重を前にかけていく際、上体が前に傾いたり、腰が過剰に反らないよう注意して行う。

 

 

腰痛は、姿勢の影響も大きく受けます。こちらの記事もご参考下さい。

あなたの姿勢はどのタイプ?姿勢タイプ別改善法


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