筋肉を増やす食事、体脂肪を減らす食事

プロテインや高タンパク食は腎臓を悪くする?

「プロテインを飲むと腎臓が悪くなる。」

「タンパク質の多い食事は腎臓に負担をかける」
 
このような認識を持って、プロテイン・高タンパク食を避けている方はいると思います。
 
 
 
実際のところどうなんでしょうか?
結論から言うと
 
「体重×1.1〜1.3g/日のタンパク質摂取は腎機能に悪影響を及ぼさない」
 
これは日本(厚生省)の研究結果で科学的根拠があります。
 
体重×1.3gというのは体重50kgの方ならタンパク質65g/日です。
 
ここまで取れている方は少ないと思います。お客様からお話しを伺うとタンパク質30〜40g/日の方が多いです。
 
 
 
 
体重×1.3g/日以上ではどうなのか?
 
健康な腎臓を持つ人の場合、これ以上の高タンパク食で腎機能が悪化するという明確な研究はありません。
 
タンパク質を沢山とって、実際に腎臓が悪くなったという研究はないわけです。
 
 
 
 
 
なぜ高タンパク食=腎機能を悪化する。という情報があるのか?
 
理由は、
 
「すでに腎機能が低下している人では、高タンパク食でさらなる腎機能低下を招く可能性がある」から
 
 
①タンパク質を多く摂ると、代謝産物(不要なゴミのようなもの)を多く排出する必要性が生まれます。
②腎臓で排出するため、血流量を増やし濾過量が増えます。
 
腎臓が一時的に頑張っている状態です。腎機能が落ちている場合これが負担になり、さらなる腎機能低下を招く可能性があるということです。
 
実際に、慢性腎臓病患者の場合には、タンパク質摂取量は体重×0.6〜0.8g/日に制限が推奨されています。このタンパク質制限が腎機能低下の進行を抑え、保護に繋がると考えられています。
 
腎臓が健康な人でも、タンパク質の摂取量が多くなると腎臓の濾過量は増えます。しかし、それが腎機能低下に繋がるという証拠はありません。
 
 
まとめると
 
・高タンパク食は腎臓の濾過量を増やす(腎臓が頑張る)ことは確実。
 
・腎機能が低下している人にはこれが負担になり、さらなる腎機能低下を招く可能性がある。
 
・健康な人の腎機能を低下させるという証拠はない。
※アメリカでの女性を対象とした長期的な研究では、健常者では「高タンパク摂取と腎機能低下に関連なし」結論づけられています。
 
 
 
いかがですか?
「腎機能低下している人の高タンパク食=さらなる腎機能低下」なんです。
 
それを「高タンパク食=腎機能低下」と結びつけ間違って認識してしまったわけです。
 
 
むしろ、高タンパク食による健康への害より、低タンパク食による害の方がはるかに大きいと考えます。
 
・筋肉量減少、体力低下
 
・転倒、骨折、寝たきりのリスク向上
 
・免疫力の低下
 
・骨密度低下、貧血、抑うつ症状と関連
 
・高齢者では「総死亡率の上昇」と関連
 
 
慢性腎臓病の方でも、タンパク質制限が強すぎると栄養不良や筋肉量減少を招き、予後を悪化させると言われています。
 
 
健康でいるためには、やはりタンパク質は必要と言えます。より安全に高タンパク食を取り入れるためにも、毎年血液検査を行い「腎機能のチェック」をするべきです。
 
 
その上で、
 
①自分が毎日どれくらいのタンパク質を取れているのか、あすけんなどの食事管理アプリに記録して把握
 
②筋肉量維持なら、体重×1.0g以上、筋肉量を増やすなら体重×1.3g、もしくはそれ以上を意識してみてください。
 
あなたの将来の健康のために。ぜひ実践してみてください。